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夏がはじまると布団のなかで股間が暑い。50代男がふんどしで寝てみたら「穿いた瞬間は感激、翌朝は……」だった

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夏になると、寝入りばなに気になる部分がある。

股間が暑い。

いや、正確には「股間」というより、いちもつが暑い。ソレが脚に触れるのは、おぞましい。

昼間はそれほど気にならない。

ところがベッドに入って、「さあ寝るか」となると気になってくる。

私は寝るとき、考えすぎを止めるために身体に意識を向ける。

それまで頭の方に向いていた意識を身体の感覚に向けると、いつの間にか眠れるのかもしれない。

これはあくまで私自身の感覚で、科学的にどうなのかは知らない。

ただ、私の場合はそうする。

そして夏の夜、眠りに向かうと存在感を増してくるのがソレである。

暑い。

その辺一帯が蒸れる。

なんとかしたい。

いっそ、何も穿かなければいい

それなら、いっそ下半身は何も穿かなければいい。

実際、そうして寝たこともある。

何も穿かなければ、確かに開放感はある。

ところが、今度はソレが太ももに触れる。

これが気になる。

自由になればすべて解決するかと思ったら、自由すぎても困るらしい。

私としては、真ん中あたり、できればアタマは上向きで収まっていてほしい。

横に倒れて太ももに触れるのは避けたい。

脚の付け根あたりはなるべく覆いたくない。

涼しくしたい。

でも、ある程度の位置には収めておきたい。

欲しかったのは「涼しさだけ」じゃなかった

トランクスのようなゆったりした下着なら、風通しはよさそうに思える。

でも私の場合、それでは横に倒れて、太ももにはりついてしまう。

開放感は欲しい。

でも、放し飼いにはしたくない。

そこで行き着いたのが、ハイレグビキニだった。

ビキニタイプのものは昔から穿き慣れている。

脚の付け根が大きく開いていて、位置もある程度決められるハイレグがしっくりくる。

究極の風通しを求めて、かなり薄いポリエステル系のものを試したこともある。

確かに薄い。

ものによっては、ずいぶん薄い。

ただ、別の問題があった。

トイレのあとに残ったわずかな水滴を、ほとんど吸ってくれない。

そのまま残るし、水滴が落ちるし、においも気になる。

結局、綿100%に戻った。

蒸れにくさ。
肌触り。
吸ってほしいものは吸ってほしい。
そして、所定の位置にいてほしい。

条件を並べてみると、意外と注文が多い。

ただ寝たいだけなのに。

現在の現実解は「綿100%ビキニ+ステテコ」

そんなこんなで、今のところ落ち着いているのが、

綿100%のハイレグビキニ+綿100%のステテコ

である。

ビキニで位置をある程度決める。

脚の付け根も大きく開いている。

寝るだけなら、正直ステテコはいらない。

一枚増えるぶん、当然暑くなる。

それでも穿くのは、夜の宅配の荷受け、朝のゴミ出し、朝のベランダで光を浴びる、といった強制力がはたらくからである。

一人暮らしをしていると、寝間着は寝室だけで完結しない。

ステテコも綿100%で、膝まわりが開いているものを使っている。

ビキニで位置をある程度決め、ステテコで脚まわりの開放感を残しつつ、最低限の社会性を確保する。

近所でマークされずに暮らし続けることも大切である。

涼しさと、外に出られることのバランス。

完璧ではない。

でも今のところ、これで困っていない。

それでも、ふんどしがずっと気になっていた

それなのに、ふんどしは昔からずっと気になっていた。

子どもの頃だったと思う。

日本兵とアメリカ兵の下着について、妙な話を聞いた記憶がある。

アメリカ兵はトランクスのような下着で、ソレが下にぶら下がる。

一方、日本兵はふんどしで上向きに収めている。

その違いが身体への負担に関係して、日本兵の方が実はタフだった――。

そんな内容だったと思う。

本当かどうかは知らない。

そもそも、誰から聞いたのかも覚えていない。

長い年月の間に、私の記憶の中で話が作り変わっている可能性もある。

今こうして文章にしてみると、だいぶ怪しい。

ただ、その頃から、

「ふんどしって、もしかして理にかなっているのか?」

という印象だけは残った。

その後も、「ふんどしは健康にいい」といった話や、女性にも愛用者がいるという話を目にした記憶がある。

これも、いつ、どこで見たのかは覚えていないし、根拠があるのかどうかも現時点では分からない。

ただ、

夏になる。

股間が蒸れる。

開放感が欲しい。

位置も決めたい。

そして、昔からふんどしが気になっている。

条件がそろってしまった…。

じゃあ、一度穿いてみるか。

別に、ビキニ+ステテコに重大な欠陥があるわけではない。

単純に、ずっと気になっていたものを試してみたくなったのである。

初めて穿いたふんどしは、かなり心地よかった

私が試したのは、綿100%のふんどしだった。

紐をへそのあたりで結び、布をお尻側から股の間に通して前へ持ってくる。

余った布を紐の内側に通して、前に垂らす。

私が知っていた穿き方はこれだった。

合っているのか。

たぶん合っている。

少なくとも、ふんどしらしい姿にはなった。

そして、初めて穿いた瞬間。

     …… FEEL SO GOOD!

綿の肌触りがいい。

脚の付け根が開いている。

股間も覆われすぎない。

そして、丁度いい位置に調整できる。

布が触れる場所もある程度自分で調整できるので、窮屈な感じもしない。

「なるほど。これは気持ちいい」と思った。

寝る前に穿いたときの第一印象はかなりよく、そのまま寝た。

そして翌朝...唖然。

びっくりしたのは、目が覚めてからだった

寝ている間に、ふんどしがかなりズレていたのだ。

コレはかなりのガッカリ。

紐が緩んでいる。

布も寄ったり開いたりしている。

肝心の位置を保つという役割は、ほぼ失われていた。

いつズレたのかは分からない。

寝返りをしたときなのか。

少しずつ緩んだのか。

そのあたりは寝ているので分からない。

昨夜の感激は、どこかへ行っていた。

もちろん、これは私が使ったふんどしと、私が知っていた穿き方での話である。

結び方や商品が違えば、結果も違うかもしれない。

ただ、私の場合、

寝入りはかなり好き。

朝までの安定感は、今のところ微妙。

そして朝がっかり。

これが最初に寝てみたときの感想である。

ならば、固定してしまえばいい

そこで考えた。

ズレるなら、固定すればいい。

安全ピンを使って、布の一部を留めてみた。

最初は、少し安定したように思えた。

ところが寝ている間に紐そのものが緩んだり、安全ピンで留めていない部分の布が動いたりする。

一か所を固定したら、今度は別の場所が動く。

ふんどし側にも、言い分があるらしい。

完全に安定するところまではいかなかった。

安全ピンの位置を変えれば、もう少し安定する可能性はある。

ただし、安全ピンをつけたまま寝るのは、外れたり刺さったりする危険もある。

私は試してみたが、人に勧める方法ではない。

そして、トイレという現実

人は、寝るだけではない。

トイレにも行く。

小なら、布を横によければ何とかなる。

問題は大である。

前に垂れている布をどう扱うか。

どこまで外すのか。

どう戻すのか。

慣れれば何でもないのかもしれない。

しかし、人間の腹は必ずしもこちらの都合を聞いてくれない。

急いでいるときは、危険レベルである。

もう一つ問題があった。

ふんどしの上からステテコを穿くと、前に垂れている布の分だけ下腹部が膨らむ。

鏡を見る。

…。

これは、ゴミ出しに行っていい姿なのか。

ビキニ+ステテコなら、そのまま外に出られる。

ふんどし+ステテコでは、一度考える。

股間の快適性を追求していたはずなのに、近所からどう見えるかという問題に戻ってきた。

寝間着に社会性は必要である。

結局、ふんどしで寝るのはアリなのか?

私の場合は、

アリ!  ...ただし、毎晩ではない。

寝る前に穿いたときの心地よさは、かなり好きである。

綿の肌触りもいい。

脚の付け根が開放される感じもいい。

そして、丁度いい位置に調整できる。

一方で、寝てしまったあとは知らない。

翌朝どうなっててもいい日なら、まあいい。

これが、今の私とふんどしとの距離感である。

もし同年代の友人から、

「夏の夜、股間が蒸れるんだけど、ふんどしってどう?」

と聞かれたら、

「一回穿いてみれば」

と答えると思う。

ただし、初めてなら翌朝に余裕のある夜がいい。

できれば、ゴミ出しの無い日がいい。

条件が多い。

ふんどしを一枚試すだけなのに。

それでも、穿いたときのフィーリングは、今でも身体が忘れてない。

休日で、翌朝に予定がなくて、ゴミ出しもない。

そんな夜にふんどしのことを思い出したら、一度穿いてみるのがいい。

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